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Miyajima News

2019年5月2日

「令和」は「自立」の時代へ

【令和元年(2019年)5月のコラム(第221号)】 


 お多賀さん(多賀大社)にて 2019.5.2

1.「令和」は「自立」の時代へ

いよいよ「令和」の時代がやってきました。
さて、「平成」が「令和」になって、世の中はどう変わるのでしょうか?
5月1日の日本経済新聞のコラム、『春秋』は素晴らしいものでした。

「こんにちは令和さん。1カ月も前から姿をお見かけしていましたが、
いよいよ着任されましたね。あらためて、どうぞよろしくお願い致します。」

という「令和さん」へのご挨拶で始まり、中ほどにこんな言葉が続きます。

「赴任早々に申し上げるのも恐縮ですが、少子高齢化、人口減を克服する
道は見えず、企業は昭和の成功物語にしがみつき、世界の中での存在感は
低下する一方です。(略)厄介事を先送りしたままなら本当に危ういのです。」

そして「令和」が万葉集から引用されたことから、こう締め括られています。

「令和さんが生まれた8世紀の昔も難しい時代だったと聞きます。(略)
そうしたなかでも(略)イノベーションを進めたのですね。その伝統を受け継げる
でしょうか。さあ、一緒に歩いていきましょう。」

「さすが『春秋』のご担当者さん、うまいこと書くもんやなあ」と感心してしまいましたが、
私はこの「令和さんへのお手紙」の中に、これからの日本に対する厳しい警告が
込められているように感じました。

今の世の中、ずいぶん便利になったことは間違いないですが、
「心」の部分ではどうでしょうか?
物は豊かになっても、逆に心は貧しくなってしまったように思えてしかたありません。
「もらえるものはもらわな損」みたいな考え方が染みついてしまっていないでしょうか?

たとえば政治屋さん(あえて政治家と書きません)。
選挙で票を集めなければならないのはわかりますが、「ワシが国の(あるいは市の)
予算を引っ張ってきて橋を架けてやるからな!」というような「親方日の丸」的な方が
多すぎないでしょうか?その結果、国も地方も「大借金漬け」になってしまっています。

たとえば企業経営者さん。
補助金、助成金、大歓迎!そのくせ税金は払いたくない!
日本という国で商売をさせてもらっていて、そんなのおかしくないでしょうか?

たとえばお勤めの皆さん。
「働き方改革」とか「同一労働・同一賃金」とかいった国の施策を都合よく勘違いして、
少しでも働かずに、休みも給料も増やしてもらおうと思っている人はいないでしょうか?

外務省は、「令和」の正式な英訳を「Beautiful Harmony」に統一すると決定したそうです。
すなわち「令和」の意味は、「美しい調和」ということです。
音楽でもハーモニーを奏でる「和音」は美しい。
でもそれは「和音」を構成するそれぞれの音がしっかりと鳴っているからです。
つまり、「美しい調和」のためにはそれぞれの「自立」が大事だと思うのです。

元号が「令和」に改まった今、私たちは「なんとなく気分があらたまる」だけではなく、
本当の意味での「心あらたまる」、すなわち「調和のための自立」を改めて意識して
いきたい、いかねばならないと思います。
そうしないと日本は何も変わらない、いや、どんどん衰退していくことでしょう。
新元号早々、耳の痛い話ですみません。「令和さん」と仲良くいきましょう!!

《おまけ1》

本屋で見つけた新進気鋭の編集者、箕輪厚介さんの本
「死ぬこと以外かすり傷」というタイトルに誘われて読んでみました
「破壊せよ」、「捨てろ」、「身を投げろ」、「火を放て」などなど
言ってることは一見むちゃくちゃのようですが、これぞ「ど真剣」です
ぜひ若い人たちに読んでほしいと思う一冊です!

《おまけ2》

連休中にお墓参りに行ったら、うちのお寺の手前にあるお寺に
こんな紙が貼ってありました。ほんとその通りですね。
時代と社会を変えて(よくして)いきましょう!

※お寺は「浄土真宗本願寺派 護法山 純正寺」さんといいます
  住職さん、いつも味のある言葉をありがとうございます(#^.^#)

└誠一郎のコラム