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Miyajima News

2016年11月9日

ためない

【H28年(2016年)11月のコラム(第191号)】



我が家の小さな畑で収穫できた今年のさつま芋
もう二十歳を十分に過ぎた娘たちがきゃあきゃあ言いながら掘り出してくれましたが、
その姿を見て「地味に育ってくれてよかったなあ・・・」としみじみ思う親馬鹿です

1.ためない

今年も残りわずかとなったが、今年の私の心がけは「ためない」ということである。
当社では毎年、年初に社員全員から「今年の私の心がけ」として一行だけ、紙に書いて
もらっているのですが、その中の私の一行がこれである。

私の机の上はいつも書類が山積みで、いつも「あれをせなあかん、これもせなあかん」という
焦燥感に追われながら、社会人になってから30年あまり仕事をしてきた。
50も過ぎ、さすがにこのままではイカンと思ってこの心がけを「誓った」わけで、たしかに以前に
比べるとぐんと机の上の書類が減ったのは確かである。しかし、少しでも気を緩めたり、
ちょっと出張が重なったりすると、もう一瞬で「元の杢阿弥」である。そうなるたび、「世の中の
他の社長さんたちは、どうされているのだろう?」と思ってしまう。

近年「断捨離(だんしゃり)」という言葉が流行っているが、どう断っても、捨てても、離れても、
もがけばもがくほど、余計なものがくっついてくるのである・・・と書きながら僕は悟った。
そう、もがかねばいいのである。「もがく」とは「足」へんに「宛」で「踠く」と書くのだが、
「藻掻く」とも書くそうである。まさに水の中で溺れまいと手をばたばたさせると、どんどん藻が
手に絡まって結局溺れてしまうわけで、うまい当て字を考えたものだと感心する。

しかし人生、「我以外皆我師」である。
弊社の女子社員の机の上を見てみると、帰った後には見事スッキリきれいになっている。
かといって休日出勤や遅くまで残業して片付けているわけでもない(例外もあるが)。
では自分と何が違うのか?
結局は「残さないと決めるしかない」のであろう。
残っても「土日に片付ければいいか」などと考えるからダメなのだ。

今、新幹線の中でこのコラムを書いているが、こうしている間にも「せなあかんこと」が山ほどある。
さて、早いこと片付けてスッキリしよう!!

といいながら、つい思い出してしまうのが司馬遼太郎の「坂の上の雲」の中で、秋山好古(よしふる)が
弟の真之(さねゆき)に言った言葉である。
「我が家には茶碗がひとつしかないか分かるか? 金が無いからではないぞ」
・・・とまた余計なことを・・・。

どうやらこの性分は、一生治らないようである。


ススキとセイタカアワダチソウと秋の空

毎年10月末になると、甘い香りを楽しませてくれる母屋の金木犀


いつも休みの日に先生がせっせと手入れをされている小学校の花壇

どれも朝の散歩での一コマですが、ホント心が癒されます(*^_^*)

└誠一郎のコラム