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Miyajima News

2015年2月19日

言葉の意味

【H27年(2015年)2月のコラム(第170号)】



今月はアップが遅くなり申し訳ございません。原稿は月初に書いていたのですが、

ホームページビルダーがなぜか立ち上がらなくなってしまい、弊社常務のPCから

アップさせていただきました。





約30年前、当時勤めていた会社の改善褒賞で買った広辞苑



1.言葉の意味



過激派組織「イスラム国」に日本の後藤健二さんが殺害された可能性が高いという、

大変残念なニュースが入った。今回の事件にあたり、政府は一貫して

「全力で交渉する」という声明を発表してきたが、本当にそうなのだろうか・・・と

疑問に思う。このコラムで政治的、宗教的な批判や意見を述べるつもりはない。

今回の事件の裏には、表にできない様々な事情や大変なご苦労があったと思う。

また後藤さんが政府から派遣されて行ったのではなく、自らの意志で危険を冒して

現地へ行ったという背景もある。

ただ、私が言いたいのは「全力で」という言葉の意味、重さである。



「全力で」とか「一生懸命」という言葉は、よく使われる言葉である。

しかし、これらの言葉が本当に正しく使われているかというと、自分自身の反省も含め、

そうは思えない。「全力で」ということは、自分の持てる「すべての」力を出し切る、

すなわち出し切った後しばらくは立ち上がれないほどの力を絞り出すということであり、

「懸命」ということは、その字のごとく「命を懸ける」ほど真剣に取り組むということである。



だからやはり私たちは、もっと「言葉の意味」を考えて、正しく使わなければならない、

いや、できるだけそうしようと心がけなければならない、と思う。



昨年のお正月、多賀大社での或る会で私が挨拶をさせていただいたのだが、

その時、多賀大社の宮司さんに注意していただいた一言が忘れられない。



「以上拙い(つたない)お話で申し訳ございませんが、新年のご挨拶とさせていただきます」

と言って席に戻った私に、「宮嶋さん、いい挨拶だったが最後がいかん。せっかくいい

話をしたのだから、そのままきれいに終わればよい。謙遜して『拙い話』だなんていうのは

余分だよ」と諭してくださったのである。



謙遜は日本人の美徳だという考えもあるが、私はなるほどと納得し、以来自分の

話を「拙い」などという言葉で締め括ることをやめた。これと同様、訪問先への

手土産も「粗菓ですが」とか「つまらないものですが」と言うことをやめ、

「これは彦根の銘菓で、井伊家にまつわる『埋れ木』という和菓子です。」とか

「地元多賀大社の名物『糸切餅』です。日持ちはしませんが美味しいですよ。」と、

自信をもって差し上げるようにしている。



言葉は「いきもの」。やはり言葉は大事である。

「うまく」使う必要はないが、「正しく」使う必要はあると思う。

だから日々勉強が大事なのだ。





ビバシティ平和堂の屋上から望む雪の伊吹山 (2/3撮影)



【おまけ】



皆さんは「灯台下暗し(とうだい もと くらし)」の意味をご存知ですか?

「当たり前や!遠くは見えてても、案外自分の足元は見えんっちゅうこっちゃ」

とお答えになるでしょう。



では・・・その「灯台」とは何のことかご存知ですか???



「岬の灯台に決まってるやろ!」と思われてませんか?



「灯台」とは正しくはこれなのです。



これを「燈明台(とうみょうだい)」ともいいます。



電気のなかった昔は、夜、部屋を明るくするのに燈明台を使っていました。

これは台の上に油を入れた皿があって、そこに入れた芯に火を灯していたもの

ですが、台の下は暗くて見えないためにこの諺が生まれたのです。

「言葉の意味」を知らないことって結構あるものですね?



└誠一郎のコラム