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Miyajima News

2013年4月29日

ジャーマン・レイル・パス

【H25年(2013年)4月のコラム(第148号)】







1.ジャーマン・レイル・パス



 ドイツは『性善説』の国である。



たとえば、電車に乗る時に“改札”が無い。すなわち切符を買わなくてもホームに入って行って

電車に乗れるのである。しかし、いざ車掌が検札に来た時に切符を持っていないと日本の何倍もの

罰金をとられることになる(実際は精算手数料だけで勘弁してくれることもあるそうだが)。

ということで基本的に「きちんとルールを守るのが当然」ということが国民に定着しているように思う。

横断歩道の渡り方を見てもそうだ。



ドイツは人口約8200万人、面積は日本の約95%、約36万km2の国である。しかし日本のように

細長くなく、南北800km、東西600kmという地形のため、とても広く感じる。そのため、全土に

ICEという新幹線など、日本のJRにあたるDB(Deutsche Bahn)の鉄道網が発達している。





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これだけ線路が走っていると、各駅に改札機を置くのは大変なので、改札がないのも

合理的だと納得できるのだが、こういうふうに分かってきたのもすべてF氏のおかげである。



F氏は元大手商社でヨーロッパ、特にドイツとの貿易を50年以上も担当してこられた方で、

あるご縁で2009年と2012年の2回もドイツに連れて行っていただくことができた。

ドイツ国内の移動には主に電車を使ったのだが、鉄道の旅というのは実にいいものだ。



ドイツには「ジャーマン・レース・パス」というものがある。いわゆる日本の「青春18きっぷ」の

ようなものだが、新幹線から普通列車まで、すべてのDBの電車に一日乗り放題の切符だ。

3日間から10日間用があり、利用開始日から1ヶ月以内なら、使用日は自分の好きな日を

選べる。今年はミヤジマとして初めてハノーバーメッセに出展することになり、私にとって

6回目の訪独が実現した。ハノーバーからミュンヘンまで移動する飛行機が一杯だったため、

旅行社と相談して3日間用のジャーマン・レイル・パスを購入した。しかし実際一日しか

使わないのではあまりにももったいない。そこでメッセの3日目、会場を常務と綿谷君に

まかせて思い切って一人でドイツ第2の都市、北部の港町ハンブルクを訪ねることにした。

(ドイツ語ではHamburgの最後のgは濁らないのでハンブルクが正しいそうだ。

ちなみに-burgは城、-bergは山、-dorfは村、-talは谷あいを意味するらしい。)







まずは前日に駅の時刻表で電車を調べる(もちろんインターネットでもOK)。

「ふむふむ、ハノーバーを朝7:36に出るとハンブルク中央駅には9:02に着くんだな?

ホームは7番線か・・・。」これを確認してDBの窓口まで座席指定券(4ユーロ)を買いに行く。

幸い結構親切な女性だった。そして翌朝、私はICE988号に乗り込み、F氏に教えてもらった

とおり、ジャーマン・レイル・パスに「自分で利用日を記入」した。「これが自己宣言なんだな」と

一種の覚悟をもって。暫くすると車掌がやってきて私のパスを見、そこに検印を押してくれた。

私はなんだか「合格印」のような気がして嬉しかった。約1時間半後、ハンブルクに到着。







ハンブルクは港湾都市で、14世紀にはハンザ同盟の中心都市として栄えた町だ。僕は早速

「港めぐり」の発着場所を地図で探してタクシーに乗り込んだ。最初の運転手にはうまく行先が

伝わらなくて、乗車拒否されてしまったが!







生憎の雨模様だったが、僕は遊覧船に乗り、約1時間の港めぐりを楽しんだ。

たくさんのコンテナ船があったが、中国の船が目立った。やはり中国の貿易規模は

すごいなあと実感した。



船から降り、少し早いランチをとろうと「地球の歩き方」で気になったダイヒグラーフ

というドイツ料理のお店に足を運んだ。ここが素晴らしい店だった。







ドイツといえばビールとソーセージ、ジャガイモばかりである。しかしここはさすがに港町。

とてもチャーミングな少し年配の女性にオススメの料理を尋ねたら、シーフードスープと

サーモン、スズキなど三種類の魚を使ったクリームソースの料理を出してくれた。



 



  



この料理の美味しかったこと!おまけにお勘定は写真のようなかわいい鳥の陶器に

くるっと丸めて出されてきて、そのセンスのよさに感動した。

このお店はロシアのプーチン大統領などVIPもかなり来ているようで、入り口に写真が

飾ってあった。もしハンブルクへ行かれる機会があれば是非おすすめします。



そこからハンブルクの駅までは少し距離があったが、歩いて行った。



 



 



運河のある倉庫街はとてもムードのあるエリアだ。旅はいいなぁ・・・と思いに耽る。



おっとあまり旅情に浸っていると帰りの電車に乗り遅れる!

僕は地図を片手にハンブルク中央駅へ足を急ぎ、13:53発のICE881号に乗り込んだ。



ハノーバーメッセの会場へは4時頃に戻ることができたが、一人遠くドイツで、

こんな素敵な日帰り旅行ができるようになったのも、みんなF氏のおかげである。



「人生は宝物探し」だとF氏は言う。人それぞれ、宝物はいろいろあると思うが、それを

探し求めることの大切さ、そして出会うご縁の有り難さを、改めて感じた一日であった。



 

昨年行ったドイツの列車の中で、F氏と        車窓からの美しい眺め

└誠一郎のコラム