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Miyajima News

2007年9月29日

重油流出事故

【H19年9月のコラム(第72号)】
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京都新聞9/11記事
1.重油流出事故
9月9日、当社は大変な事故を起こしてしまいました。
7200リットル(ドラム缶36本分)もの大量の重油が河川に流れ出してしまったのです。
当日は日曜日で、のんびり昼から会社に行って溜まった書類でも片付けようかと思っていた矢先、警備会社のセコムから油が漏れているらしいので至急会社に来てくださいと電話があり、飛んでいったらすでに消防車が2台もきており、「これは大変なことになった」と直感しました。
流出源は当社の工場の裏に新たに設置工事中だった発電機の給油部分で、消防の方が応急で止めてくださっていたのですが、どう考えても割れる筈の無い鋳物の部品(ストレーナという油のごみを濾過するもの)が割れてそこから油が噴出していたのです。
数日後に、原因は業者の設計施工ミスであることが明らかになったのですが、その時はそんなことを考える余裕はありません。
とにかく会社の皆に電話して応援を頼まねば!と緊急招集をかけたと思えば、消防署のほか、飛んできた警察や役所の方からは「誰かが故意に壊した可能性はあるか?」とか「漏れた油の量はどれだけか?」と訊かれ、頭の中は大混乱。
飛んできてくれた社員から重油タンクの残量計のデータ報告を受け、私は真っ青になりました。その数字が本当なら、どう考えても7200リッターという、とんでもない量の重油が漏れたことになるからです。
これを正直にそのまま言うべきなのか・・・それとも「よくわかりません」とか
「おそらく2?300リッターだと思います」と適当に“誤魔化す”べきなのか・・・。
その瞬間、私の頭の中に北海道のミート○○○や「白い○○」の○○製菓社長の顔が思い浮かびました。そして何よりも12年前の大クレームのことを思い出しました。
『クレームで大事なことは「迅速」と「誠実」』
いつも私が社員に言っているこのことを今守らなくてどうするのか。
そう思った瞬間、一瞬の情けない迷いは吹き飛び、「流出量は推定ですが7200リッターです」と正直に答えていました。
刑事さんに訊かれてからそう答えるまでの間、おそらく時間は10秒と経っていなかったと思いますが、いずれにせよ、漏れたのが膨大な量だとわかった以上、被害を最小限に食い止めることに総力を挙げねばなりません。
それからは本当にあっという間に時間が経ちました。
社員も日曜にも拘らず次から次に駆けつけてくれ、消防署や役所、業者の方々もどんどん集まってくださり、夜通しで漏れた油の回収に当たりました。
皆さんの必死の努力のおかげで、殆どの部分は回収することができ、また幸いにも周辺の田んぼや琵琶湖にまで油が流入するという“最悪の事態”は防ぐことができました。
しかし、まだまだ安心はできません。今回のようなことが二度とないよう、工場全体の油配管、排水経路の見直しを行い、万一の場合でも絶対に社外には流出しないという対策を確実に行わねばなりません。
周辺地域の皆様には大変なご迷惑・ご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
深く深くお詫び申し上げます。
9月1日「防災の日」から約1週間後に起こった当社の不祥事・・・そのご報告とお詫びをもって、今月のコラムとさせていただきます。 (H19年9月24日記)

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