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Miyajima News

2007年1月29日

佐賀のがばいばあちゃん

【2007年1月のコラム(第64号)】
新しい年が明けたと思ったらもう1月も終わり!
兄が妹を、嫁が旦那を・・・信じられないようなバラバラ殺人や不二家の詐欺事件など、残念なことばかりが目立つ毎日ですが、今月はせっかくの新年号ですので、やっぱり明るい話題を書きましょう!
1.佐賀のがばいばあちゃん
がばいばあちゃん
「何をいまさら」と思われるかもしれませんが、いいんですよこれが!
是非読んでほしい本なんです。
ご存知ない方もおられるかと思い、ご紹介させて頂きます。
この本はかつての人気漫才コンビB&Bの島田洋七が、自分の生まれた広島から、お父さんが原爆症で亡くなってしまったという経済的事情で母のもとを離れ、佐賀の祖母に預けられて育った少年時代の思い出を本にしたものです。
5年前に一度出版されたものの、あまり売れ行きは芳しくなかった。
ところが黒柳徹子さんの「徹子の部屋」に島田洋七がゲスト出演しておばあちゃんの思い出話をした途端に問い合わせが殺到してベストセラーになり、昨年6月には映画化、この正月にはテレビでドラマ放映されたという人気作品です。
テレビでの泉ピン子さん演ずるおばあちゃんもよかったけれど、僕はやっぱり本の方がよかったかな?
詳しくは是非一度文庫本(540円)を買って読んで頂きたいのですが、
要は「笑門来福(笑う門には 福来る)」という話なのです。
「がばい」というのは、佐賀弁で「すごい」という意味で(※1)、洋七のおばあちゃんは本当にすごかった。えらく貧乏だったのだけれど、それを卑下するどころか、逆に「ウチは先祖代々の由緒ある貧乏だから、誇りを持て!」と孫の洋七を励ましたり、家の脇を流れる川に縄を張り、そこに上流から流れ着く野菜や果物を拾っては「これぞ天然のスーパーマーケット」と大声で笑ってみたり、とにかく「明るい貧乏」なのである。
洋七は、そんなおばあちゃんの愛情を全身に受けて育ったわけだけれど、とは言ってもまだまだ子供だからやっぱり広島のお母さんに会いたい。でも遠い佐賀まではなかなか来てもらえない。しかしその母がやっとのことで会いに来てくれた中学校のマラソン大会で、洋七は見事に一等賞に輝くのだ。
「かあちゃーん、速かろうが!勉強ばできんばってん、足は速かろうがーーー!」と涙に声を詰まらせながら走る洋七と応援する母の姿を想像する時、こちらも思わず涙が込み上げる・・・そんな素直な感動を与えてくれた本でした。
それと僕がとても心に残ったおばあちゃんの一言が、
「本当の優しさとは、相手に気付かれずにやってあげることだよ」ということ・・・
運動会の時、たった一人で“日の丸弁当”を食べる洋七を気遣った先生が、何故か毎年「お腹の調子が悪いから、すまんが先生の弁当と替えてくれんか?」と玉子焼きやらエビフライが一杯入った弁当を食べさせてくれたという話がありました。
こんな優しい思いやりも、なかなかできないことです。
島田洋七も「あとがき」の中で書いているとおり、近頃は何かと「あれがない、これがない」
「自分は不幸だ」とマイナスの思いばかりを持ちがちだけれど、実は周りにはなんでも揃っているし、本当に豊かになっていると思う。それでも満たされないのはなぜなのだろう。
ひとことで言うのは難しいけれど、やはり「心のあり方」次第なんだろうなあと思います。
あいだみつをさんだったか、
幸せだから 感謝するのではなく、感謝するから 幸せなんだなあ」という詩がありましたが、今年一年、やっぱり感謝の心を大切に、私も、周りの皆さんも、「笑い」の多い一年でありたいと願い、新年のコラムとさせていただきます。
本年もどうか宜しくお願い申し上げます。
(※1:正しくは「がばい」は佐賀弁で「とっても」という意味だそうで、本当は「佐賀のがばいすごかばあちゃん」というのが正しいそうですが、語呂が悪いのでなぜか「がばいばあちゃん」で広まってしまったそうです)
笑門
今年の正月のしめ縄の代りに玄関に掛けた「笑門」の札です。
多賀大社前の商店街で作られたそうですが、縁起が良さそうでしょ?
提案
今年の弊社のテーマは『提案』です。
お客様に対して、社内に対して、「ああしたら・・・こうしたらいいのでは?」
という知恵・提案を大事にしていきたいと思います。
《おまけ》
「滋賀ガイド」の「私のチャレンジ人生」に小生を採り上げて
頂きました。お恥ずかしながら、よろしければご覧下さい。
滋賀ガイド「私のチャレンジ人生」

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