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Miyajima News

2017年3月11日

私は悟った

【H29年(2017年)3月のコラム(第195号)】


大津市にある近江神宮の楼門。ご祭神は大化の改新をおこなった中大兄皇子、
のちの第38代天智天皇。天智天皇は飛鳥時代の667年に飛鳥からこの地に遷都して
大津京を開きました。天智天皇が日本で初めて水時計(漏刻)を設置したことから、
「時の神様」とされています。また小倉百人一首の最初の歌(秋の田の かりほの庵の
苫をあらみ・・・)を詠んだのが天智天皇であることから、毎年1月にはここで
全国かるたクイーンを決めるかるた大会が開催されています。

1.私は悟った

いきなり大そうなタイトルにしてしまったが、私には最近「世の中とはそういうものである」と
悟ったことがある。それは「大企業と中小企業の格差拡大は避けられない」ということである。
「なんだそんな当り前のことか」とがっかりしないでいただきたい。なぜなら、日本に存在する
全企業約420万社の99.7%、全従業者約4,000万人の70%を占めるのが中小企業
だからである(逆にみれば、たった0.3%の大企業が30%の人を雇用しているともいえる)。

大企業は中小企業から「モノを買う」という強い立場である。その強い立場の大企業に
少子化ですっかり貴重な存在となった若者たちが集中する。優秀な若者はなおさらである。
一方、中小企業は逆に「モノを買ってもらう」という弱い立場である。その弱い立場の中小企業
には、なかなか若者が入ってこない。もちろんこれはあくまで一般論であって、例外はある。
しかし、親の立場になってみれば、世の中で名が通っていて、しかも待遇のよい大企業に
入ってほしいと思うのは当然のことである。

しかも大企業は、その強みを生かして更なる成長のタネを蒔き、育てている。
それが人材育成であり、技術開発であり、販路開拓(マーケティング)などなどである。
私のある友人は上司も部下もいないのだが、それは地位が低いのではなく、会社からある予算
(かなりの額)を与えられて、自分の思うままに日本中、世界中を駆け回っているという。
会社の将来のメシのタネとなる新たな技術、市場を開拓するためである。
なんとも自由な立場であるが、何年かに一度はヒットやホームランを出さねばならない
というプレッシャーを背負っているのは言うまでもない。
大企業が甘い(楽)ということは決してなく、大企業には大企業なりの厳しさがあるのだ。

こんなことを考えていた先日、日経新聞にこんな記事を見つけた。


(2017年2月23日 日本経済新聞より)

「付加価値」とはいわゆる「稼ぎ」であるが、2015年、大企業の1,307万円に対し、
中小企業は549万円と、なんと2.4倍もの差がある。この「付加価値」から企業は人件費や
家賃や光熱費、修繕費、消耗品費といった諸経費を支払うのだから、給料やボーナスに
大きな差がつくのは当然のこととなる。

しかし、大事なのはここからである。ここで話が終わっては単なる愚痴、ボヤキになってしまう。

では中小企業はどうすればいいのか?
また「なんだそんなことか」と思われるかもしれないが、
結局は「汗をかく」か、「知恵を絞る」かの、どちらしかないのである。
「汗をかく」とは、大企業がやりたがらないような面倒な仕事を、せっせと時間をかけてやること。
ある意味ここに「中小企業の生きる道」があるともいえるのだが、やはりそこには限界がある。
だから本題についての答えは「知恵を絞るしかない!」ということになると思う。

中小企業は、その弱い立場に卑下することなく、中小企業ならではの強み、
たとえば「決断の速さ」や「フットワークの軽さ」などを生かす方策を考え、
それを着実に実行に移していくしかないのだ。

「『成功』の反対は何か?それは『何もしないこと』である」
弊社の常務がよく口にする座右の銘であるが、まったくそのとおりだと思う。

とはいえ、そういう真理を「私は悟った」わけだが、では具体的に何をすればいいのか?
ということを「悟った」わけではないので ・・・・・ こまったものである。


毎月朔日(ついたち)にお参りしているお多賀さん (3月1日撮影)
やっと春めいてきましたね(#^.^#)


一日には地元の方々が多賀大社の入り口近くで「おついたち市」を開いてくれています。
なかなかうまいもんがありますよ。ぜひお立ち寄りを!

└誠一郎のコラム