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Miyajima News

2005年2月15日

わかりやすく

【H17年2月のコラム】
わかりやすく
今年の初め、素晴らしい人に逢った。
東京にあるN大学のH氏という、塑性加工学の先生である。
一般的に大学の先生というものは、(失礼を承知ですみませんが)『難しいことは難しく、簡単なことまで難しく』言う人が多いのだが、この人は違った。
数式
上のわけのわからない式を見てパッとわかる人あるいは見たことがあると思う人は、間違いなく理系の学校に行かれた方だろうと思います。
左が偏微分方程式、右がフーリエ級数という式なのですが、学生時代、私は工学部の学生にもかかわらず、この式がなんのことが、どんな意味があるのか、なんでこんな式を勉強しないといけないのか、皆目わからなかった。
式自体の意味がまったくわからない上に、大学の先生はなんの記号やら解らないような「くねくねした文字」で黒板にとめども無く書き続けながら「呪文」のような説明(少なくとも私にはそう聞こえた)をするものだから、余計に頭が変になってくる。
そうこうする内にいつの間にかなぜか単位だけは取れて、卒論も無事終わり、気がつけば卒業・・・という不思議もあったのだが、あの時の苦痛は今でも忘れられない。
そんな話を冒頭のH先生とほんの10分程の立ち話でしていたところ、その先生は、こんな風に説明して下さったのである。
「大体世の中で起こっている事は、一つの要因だけで成り立っていることは少なくて、いくつもの要因が重なり合っていることが多いですよね。
でもそれらをそのまま見ていると、何がいちばん影響している要因なのかが解りにくいでしょ?だから『この切り口で見てやるとどんな傾向があるかな?』
と見てやるのが偏微分方程式で、
『こういう要因とこういう要因が重なってこういう結果が出るのですよ』
というのを表しているのがフーリエ級数なんですよ」と。
「なんやそういうことかいな?」と納得すると同時に、「なぜ自分の大学の先生はこんなふうに教えて下さらなかったのか!」と”思い出し腹立つ状態”になった次第です。
ものごとを人に教えるということは本当に難しいことですが、「わかりやすく」ということの大切さを改めて感じたアカデミックな(?)一日でした。
≪格言≫
To know is one thing , and it’s quite another (thing) to teach.
学者必ずしも良師ならず
伊吹山
名神高速道路上り線 伊吹SAから見た雪の伊吹山(H17.2.14撮影)

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