ミヤジマ社長 宮嶋誠一郎のコラム

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1.2通の年賀状

【H20年2月のコラム(第77号)】

探検写真家 故>星野道夫さんの写真

(1) 2通の年賀状

「年賀状には“メッセージ”を込めたい」

そう思って私は、10年位前から会社の年賀状には弊社の全員集合写真を
使うようにしました。(今年の年賀状は先月のコラムご参照ください)
現在の社員数が28名。これを始めた頃は10数名でしたから、
先日今の女子社員に昔の年賀状を見せると「ええ!?これだけだったんですか?
なんか寂しいですね?(^_^;)」と言われてしまったものです(笑)

社員数が多ければいいというものでもありませんが、以前あるお客様の事務の女性の
方から「ミヤジマの社員さんの数をかぞえ、毎年一人二人と増えられていくのを
楽しみに拝見しております」という嬉しいお手紙を頂戴したことがあります。
「こら意地でも社員数を増やしていかんとあかんなあ!」と発奮したものです。

滅多にお会いできず、ややもすると年賀状のやりとりだけが一年間の繋がりに
なってしまっている方も少なからずありますが、それだけに
年に一度の年賀状で「何かを相手に伝えたい」。

戴いた年賀状の中には、思わず楽しくなるような写真、自作のイラストや力作の
版画を使っておられる方もいれば、素晴らしい景色の写真や達筆の書、或いは
一枚一枚丁寧にひとことを書かれているものもあり、それらを一枚一枚
捲りながら見ていくのは本当に楽しいものです。

しかし、今年は思いもかけなかった、悲しい葉書が届きました。

1月半ばのある日、一枚の葉書が届きました。女性からの手書きの葉書です。
そこには「長い間年賀状をありがとうございました」という一言に加えて、
漢字ばかりの「妙な」一行が書き添えてありました。
それが“戒名”であることに気がつくまで・・・私には暫く時間がかかりました。

それは私が当社に入社したばかりの頃に、本当にお世話になった
ある関東の大企業のお客様の奥様からの葉書でした。
私はとにかく居た堪れない気持ちになってその奥様に手紙を書きました。
数日後、奥様からご返事をいただき、ご主人が3年前に亡くなったことを知りました。
ご主人は、とにかく自分の死をあまり人に知らせないでくれと言って亡くなったそうです。
その人らしいな・・・とも思いましたが、あまりにも悲しい知らせでした。

秋田県出身の方でしたが、新年のお神酒に皆さんで飲んでくださいと
秋田の銘酒「高清水」の樽酒をわざわざ送ってくださったこと、そして
「来るたびにミヤジマや誠一郎さんが立派になっていてくれることが何より嬉しい」と
いつも言ってくださっていたその方のお顔は、決して忘れることができません。


ちょうど同じ頃、一枚の年賀状が今度は「転居先不明」で返送されてきました。
それは私に「ISOとはなにか?」を初めて教えてくださった先生に送った年賀状でした。
ISOというものが、まだまだ大企業だけのものだった90年代半ば、ISOのセミナーを
受けても「何のことかさっぱりわからない」「間違いなくお金だけはべらぼうにかかる」
といった印象しか受けなかったのに対し、その先生のセミナーは実にわかりやすく、
「これならウチにもできそうだし役に立ちそうだ」と思わせてくれるものでした。
(その時に先生に教えていただいた「夢」という詩が“誠一郎の哲学”にあります)

移転されたのかと思ってその会社のホームページを調べてみたところ、確かに住所が
変わっていました。しかしどうも気になって電話してみたら、案の定通じません。
あとは調べようがないのでその会社のホームページを一通り見ていると、その先生の
ブログのページを見つけました。しかしそこにはこんな文章があったのです。
『父は生前から「自分は生きているのでは無く生かされているのだ。」とよく私に
言っておりました。本当に皆様に支えられて楽しい人生を過ごせたと思います。・・・』
なんとご子息からのメッセージでした。
ブログを辿っていくと、昨年の夏に突然倒れられ、間もなく亡くなったことがわかりました。
なにか本当にショックで力が抜けてしまいました。

「人は必ず死ぬ」 という真理。
昨年瀬戸内寂聴さんの青空説法を彦根で聴いて「私たちは生まれた瞬間から誰一人
例外なく一秒一秒死に向かって歩いているのです」と仰っていた言葉を思い出しました。

一日一日を大切に過ごしたい。過ごさねば・・・。それしかない。
2通の年賀状に、あらためてそう思い、お二人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


当社工場の前方に見える多賀大社のご神木(女飯盛木)
  
2/9 雪の中、電線に肩寄せあってとまっていたスズメたち

《人が旅をするのは、到着するためではなく、旅をするためである/ゲーテ》

小椋佳さんに教えていただいた言葉です

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