【H24年(2012年)8月のコラム(第139号)】
1.ダイソンの扇風機
事務所で私が仕事している部屋の扇風機を、他の場所にとられてしまった。
それで仕方なく休みの日に家電量販店に行って代わりの扇風機を見ると、
なんと安いのがあるんですねえ!
3千円も出せば、一応「扇風機」としての機能は十分果たすモノがいくらでも
あるのである。
しかし私の目に飛び込んだのは「ダイソン」の羽根無し扇風機であった。
くるくる回る羽根がないのに風が出る・・・どうなっとるんや???
電磁波みたいなものを出して、その強弱で空気の波、すなわち風を起こして
いるのであろうか?
そう考えながらじっと見ていると・・・『答え』は解った。
丸いワッカの根っこの筒の中におそらくファンがあって、それで起こした風が
ワッカの内周にあいている溝から吹き出して風になっているのだ。
なるほどーーーこれを思いついた人はエライなあ・・・と、しばし感心。
それがわかってしまうと大したことないのだが、初めて見た人はやはりびっくりする。
しかもそれがなんと3万数千円もの値段で売られているのである。
売り場の人に訊くと「結構売れてます」とのこと。
これを聞いた瞬間「商売はこれだ!」と思った。
構造は全然違うが、プラスチックの材料代とかの原価は、おそらく何倍もは
違わないだろう。それが片や3千円そこそこ、片や3万円以上という
10倍以上の値段で売られているのだ。
広告費もかかっているとは思うが、この値段の差は、まさに「知恵」の差だ。
お客に値切られて愚痴るのも仕方ないが、できるならこんな原価の何倍もで
売れる商品、工法はないものか???
そう思った瞬間、「これください」と僕は注文していた。
事務所でダイソンの扇風機を眺めながら、「なにかいいアイディアないかな?」と
考える毎日である。
3万数千円と3千円、さあ、どっちを選びます???
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