ミヤジマ社長 宮嶋誠一郎のコラム

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褒める

【H19年4月コラム(第67号)】


厳島神社
フェリーから見た、雨に煙る「宮島」厳島神社の鳥居
広島に行った時は、できるだけお参りしております(2007.3.24 撮影)


1.褒める

高校時代の英語の先生に「津布良(つぶら)」という変わった名前の先生がいた。

ちなみに私が行っていた高校は、一応地元では進学校であったせいか、テストがやたらと難しく、というか「まったく」歯が立たない問題ばかりで、中学校までの教科書とプリントをしっかり勉強しておけば大体はなんとかなった問題とは大違いで、今までとったことのない20点とか30点(もちろん100点満点の)とかいう屈辱的な点数に、本当に苦しんだ3年間であった。

そんな高校時代、唯一私が褒めてもらった、その先生が津布良先生なのである。

たしか高校3年生の時だったと思う。採点して返された答案用紙を見ながら「あ〜、必死に勉強したけど今回もアカンかったなぁ・・・」と思っていると、急に津布良先生がこう言った。

「宮嶋、○番の問題のお前の答案を読んでみろ!」

その問題は、英語長文問題の一部分を日本語に訳す問題だった。
僕は理由もわからないまま、自分の答えを読み上げた。
そして津布良先生は言った。

「みんな、宮嶋の答えをどう思う?」

みんな先生の質問の意味がわからず、ぽけ〜っとしていると、次に先生はこう言った。

「では“Y”と“N”。お前らの答案を読んでみろ。」

その二人は今でも仲良くしている奴らだが、成績だけは僕と大違いで、共に学年トップクラスの秀才だった。
二人がそれぞれ自分の答案を読み上げると、先生は深く頷いてこう言った。

「お前ら・・・宮嶋と“Y”、“N”の答えの違いが分かるか!?
・・・たしかに“Y”と“N”の解答は完璧やな。百点満点や。
しかし、宮嶋の解答には、二人の答えにはない『力』があると思わんか?
難しい、わからん、しかしなんとか必死に訳したろうと、もがき苦しんだことがこっちまで伝わってくる日本語訳や。たしかに満点はつけられないが、ワシはこういう訳がごっつう好きや。」

この先生の言葉を聞いたとき、僕は本当に嬉しかった。
感動して涙が出そうになった。

「点数」よりも「好み」を訴えた先生の「人間味」には思わず笑いが込み上げるが、あれ以来、難しい英語の文章にぶつかるたびに、先生の言葉を思い出し、妙に闘志が湧くようになったのは言うまでも無い。


日本海軍の偉人、山本五十六の有名な言葉に

やってみせ 言って聞かせて させてみせ 褒めてやらねば 人は動かじ

というのがあります。
これほど人の育て方をうまく言い表した言葉はないと思いますが、最後の“褒める”、このことこそが人を育てる一番大切なことなのではないかなあと、高校時代の自分の経験を思い出し、あらためてコラムに書きたくなってしまった小生です。

彦根城の桜

大津市在住の画家 北村美佳さんの彦根城 桜の景色

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