ミヤジマ社長 宮嶋誠一郎のコラム

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クマが泣いている

【平成16年10月のコラム】


クマ
滋賀県志賀町で射殺されたツキノワグマ(10/29朝日新聞サイトより)

クマが泣いている

今年は各地でクマの出没・被害・射殺のニュースが相次いでいます。
人に害を及ぼす生き物を殺すことを「有害駆除」と言うそうですが、今年になって全国で射殺されたクマはなんと900頭を超えたそうです。
「有害駆除」・・・なんと一方的な言葉でしょうか。
たしかに、突然クマに襲われ被害に遭った方々にとっては、許すことのできない生き物でしょう。しかし、何故ここまでクマが人家のもとまで出てくるようになったのでしょうか?
ツキノワグマは本来は温和で臆病な動物なのですよ。
これを考えたとき、私はクマが可哀相でなりません。
クマは冬までには7?10センチもの皮下脂肪を蓄えてから冬眠に入ると言われています。逆にそれだけの栄養を採ることができなければ、冬の間に死んでしまうのです。ですからクマたちは必死になって餌を求め、里山に下りてきているのではないでしょうか。

今年は猛暑に加え過去にないほどの多くの台風が上陸し、各地に甚大な被害をもたらしました。その影響で山の木の実は不作な上に殆どが落ちてしまい、クマの餌がなくなったというのが新聞報道での多くの見方です。
しかし、その根本的な原因が今までの日本の林業施策の失敗にあったということはあまり書かれていません。
(書くなという指示が国から出ているという話もありますが)

山

皆さん一度近くの山を見て下さい。一見緑豊かな山に見えるかも知れません。
しかし、日本の森林の約4割はスギやヒノキの人工林で、戦後の復興に伴い、住宅の材料を作れや作れでどんどんスギやヒノキの植林が国の政策のもとに進められてきました。
だからつい一昔前までは「わしは山を3つ持っとる!」とかいうとお金持ちの代名詞のように言われたものです。
しかし現在はどうでしょうか?海外から安価な木材がどんどん入ってきており、日本の山の木など、よほど高級な木材でもない限り、切り出してくる費用の方が高くついてしまってとても商売にはならないそうです。
ところが、スギやヒノキのような「針葉樹林」にはドングリなどの実はなりません。
「豊かな山」を作っているのは実はブナやミズナラなどの「広葉樹林」なのです。
広葉樹は根の張りも広く深いため、山の保水源にもなっています。
ですから広葉樹林には様々な生き物が生息できるのだそうです。

また、最近たいへん多くなった「土砂崩れ」や「洪水」も、根の張りの浅い針葉樹ばかりを植林してきたことが大きな原因であるという専門家の話もあります。このように考えると「スギ花粉症」も同じ原因かも知れません。

私たち人間は、自分たちの、しかも目先のことばかり考え、平気で自然界のしくみを壊しているのではないでしょうか。

日本の森の主であるクマが絶滅してしまった時、神様はどんなバチを人間に与えるのでしょう。

相次ぐクマのニュースを目にしては、そんなことを心配しています。


★このコラムを書くきっかけになった日本熊森協会のURLも是非ご覧ください★

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